韓国によるレーダー照射が問題となっていますが、本当に韓国が言う
『日本が威嚇的な低空飛行』をしたのは事実なのでしょうか?
そもそも低空飛行の規定はどうなっているのか?
国際法や国内法、そして映像から本当に低空飛行したのか?を検証していきます。
(下に続く)
低空飛行の規定
防衛省から公開された映像では、映像途中に国際法や国内関連法令で規定されている高度及び距離以上で飛行と載っています。
ここで疑問が沸くのが、国際法や法令で規定されている高度って幾つ?ってことですね。
早速、低空飛行の規定から確認していきましょう。
低空飛行の国際法
まず、国際法についてですが、国際民間航空条約第2付属書にて、下記文面が記載されています。
第4章 有視界飛行規則
4.6 離陸又は着陸のため必要な場合を除き、又は関係主管機関から許可された場合を除き、下記の高さでVFR飛行を行ってはならない。
a)都市又は集落の過密地上空、又は人の野外集会場上空では、航空機から半径600m以内の最も高い障害物から300m(1,000ft)
未満の高さ。
b)4.5a)に規定された場所以外では、地水面から150m(500ft)未満の高さ。
今回は、人の密集地帯ではないので、(b)の地水面から150m未満の高さが適用されます。
なので、150m以上離れていれば、とりあえず国際法には触れていないことになります。
低空飛行の国内関連法令
国内関連法令では下記のように記載されています。
航空法施行規則
(最低安全高度)
第百七十四条 法第八十一条の規定による航空機の最低安全高度は、次のとおりとする。
一 有視界飛行方式により飛行する航空機にあつては、飛行中動力装置のみが停止した場合に地上又は水上の人又は物件に危険を及ぼすことなく着陸できる高度及び次の高度のうちいずれか高いもの
イ (略)
ロ 人又は家屋のない地域及び広い水面の上空にあつては、地上又は水上の人又は物件から百五十メートル以上の距離を保つて飛行することのできる高度
ハ (略)
今回は、ロの『人又は家屋のない地域及び広い水面の上空にあつては、地上又は水上の人又は物件から百五十メートル以上の距離を保つて飛行することのできる高度』が当たりますね。
つまり、国際法であっても、国内関連法であっても、水上の艦隊から150m以上離れて高度を保っていれば、低空飛行には当たらないということになります。
危険な飛行例
また、国内関連法令では、飛行高度に関して、下記も追記されています。
航空法第八十五条 航空機は、運航上の必要がないのに低空で飛行を行い、高調音を発し、又は急降下し、その他他人に迷惑を及ぼすような方法で操縦してはならない。
要は、高度以外にも急降下や高調音を発して無意味に威嚇するような行為も禁止ですよと謳っているわけです。
実際に国際法に違反するような低空飛行や威嚇を行っていたのか?
次に疑問に思うのは、では実際に日本は韓国軍艦に対して、国際法に触れるような低空飛行や威嚇を行っていたのか?という点です。
実際に映像を観ながら確認していきましょう。
下記が防衛相が公開した海上自衛隊哨戒機に対する韓国軍艦のレーダー照射時の様子です。
映像でいうと、ちょうど1分頃でしょうか、最も近づいたと言える時の写真が下記です。
これが150m未満じゃないか?150m以上か?というのは、正直私には分かりかねます。
少なくとも映像で見る限り、結構な接近にも見えなくはありません。しかしあくまでも映像ですので、実際は遠くで見える物体が近くで見えるように錯覚してしまうこともあり得ます。
なので、やはり150mか否かというのは、我々視聴者の目では不毛な議論に思えます。
しかし、映像で見てても、水上の韓国軍艦が大きく見えるので、ギリギリの距離まで近づいていたということはあり得そうな話です。
哨戒機も仕事ですから、極力近づいて何をしているかなどは、はっきり見定めないといけませんから。。。
もし韓国側がいうように、異様な接近をして威嚇していた!というならば、もしかすると150m未満とは言わないまでも、実際は200mなど近いことは近かったかもしれませんね。
それで、150mなんて実際は測っていなくても、威嚇した!と捉えられた可能性はあります。
後は映像は一部であり、実際はもっと近づいた形跡が他にあったとか、ですかね。。。。
何度も言うように本当のところは分かりかねますが。。。
まとめ
低空飛行の国際法及び国内関連法令では、水上の物体に対して150m以上の距離を保てる高度と規定されています。
加えて、必要のない、急降下や高調音を発しないようにと定められています。
映像を見る限りでは、急降下や高調音は発してないものの、実際に近づいて何をしているかを目視確認していた形跡はあります。
しかし、それが150m未満か否か?と言われれば映像では正確にわかりません。
日本の哨戒機が実際に近づいたとしても、150m以上の可能性は十分にあり得ますし、それでも韓国側はそれでも異様な接近をした?と感じてしまって、今回の騒動に発展した可能性もあるでしょう。
真相ははっきりわかりませんが、これ以上は国同士の言い争いでもあるので、新たな証拠でも出ない限り不要な詮索は止めておこうかと思います。