プロゲーマー・『ときど』さんは東大卒のインテリ派アスリート。
日本より海外での認知度が高く、世界最大の格闘ゲーム大会EVO2017のストリートファイター5部門で優勝するというツワモノ。
2022年に行われる第19回アジア競技大会に、陸上競技・水泳・サッカーなどの競技に並んで公開競技としてブレイクダンスとともにeスポーツもエントリーされその活躍が期待される1人です。
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プロフィール
名前 | 谷口一(たにぐちはじめ) |
愛称 | ときど(リングネーム) アイス・エイジ(国内) Murder Face(海外) |
生年月日 | 1985年7月7日 |
出生地 | 沖縄県生まれ(のちに神奈川県に転居) |
血液型 | O型 |
最終学歴 | 東京大学大学院 中退 |
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ゲーマー・ときどの経歴
小さい頃からゲームに親しんでいたときどさんは、小学生の頃は定期的に沖縄の従兄弟と会っていたので、よくゲームで対戦していたそうです。
その頃はすでにゲーマーとしての資質があったようで、同級生はまったく相手にならなかったのと、引っ越してゲーム友達とも会えなくなったといこともあり機械相手の対戦がほとんどだったというときどさん。
5歳上の従兄弟には勝てなかったことで次は勝つ!と俄然燃えたといいます。
攻略本の存在を知る
小学3年生のときどさんにとって5歳の差は大きかったとはいえ、勝てなかった理由が従兄弟の読み込んでいた攻略本にあったことを知ります。
ただゲームをするのではなく研究して攻略本を出すという仕事としての道もあることを知ったものの、この時は自分がゲームで生計を立てるとは夢にも思っていませんでした。
小学生のときどさんは、父親との約束で模試の結果が良ければソフトを1つ買ってもらえるという条件をクリアするべく勉強をしていたら麻布中学に受かっていたといいます。
横浜の実家から都内・麻布中学に通ったことでゲームセンターを知り、そこでゲームのモチベーションが上がり、ゲームの大会の存在を知るきっかけにもなっています。
そんな麻布中・高時代がいまのときどさんのもとになっているのでしょう。
ときどという名の由来
中学1年の時に参加した『ザ・キング・オブ・ファイターズ'98』の大会で、八神庵というキャラクターでジャンプキックからの闇払いという連続技しか使わなかったことから対戦相手にウンザリされてしまったときどさん。
この連続技が【とんで、キックして、「どうした!」(闇払いの掛け声)】だったので、「それしかやらないから、これからおまえの名前は『ときど』で決まりだ」と言われて、自分でリングネームを考えるのも面倒だったのでそのままつけてしまったそうです。
国内ではその合理性を追求し派手さがなくつまらないという手法から「氷河期のように寒い=アイス・エイジ」と呼ばれることもあります。
海外ではプレイ中のクールな表情が殺し屋のようだということで『Murder Face』と呼ばれることもあるそうで、ちょっと『ときど』というやわらかいひらがなネームからは離れたイメージですね。
高校2年・17歳で海外に挑戦
「これが終わったら絶対に受験を頑張る」という約束をとりつけ、両親に遠征費を出してもらって初めて参加した海外の大会『Capcom vs. SNK 2 - EVO 2002』で思わぬ優勝という成果を得て、その後の高校生活はあっという間に過ぎていったそうです。
【その後の主な経歴】
- Super Street Fighter II Turbo - EVO 2007優勝
- 世界最大大会EVO2017 優勝
- 公式世界大会「CAPCOM CUP2017」準優勝
- CAPCOM Pro Tourジャパンプレミア2018優勝
- NorCal Regionals 2019 優勝(米)
- Canada Cup 2019優勝(カナダ)
- インテル・ワールドオープン日本&韓国地区大会で優勝
プロゲーマー『ときど』降臨
開成、武蔵と並び「進学校御三家」と呼ばれている「麻布高校」から1年の浪人生活を経て東大に進んだときどさん。
進学先は東大しか考えていなかったときどさんは、一番入りやすそうな理科一類の中から募集人数が多かった一類を狙い無事合格を果たします。
3年からマテリアル工学科を選択しそのまま大学院に進もうとしたのですが、点数不足で別の研究室に進むことになり気持ちが落ちてしまいます。
そんな時にゲームの対戦相手だった梅原大吾さんが日本人初のプロゲーマーになると知り、プロの道を考え始めたところでThe Traveling Circusというアメリカの会社からスポンサー契約の話をもらいます。
一時は安定した公務員への道も考えていたようですが、アメリカの会社とのスポンサー契約を結び大学院を中退してプロゲーマーへの道を歩みはじめるのでした。
【梅原大吾との戦歴】
- 獣道弐で梅原大吾に完敗(10-5)
- 2020年3月「TOPANGA CHAMPIONSHIP」で優勝(0-7)
- 2020年7月「CAPCOM Pro Tour2020アジア-東大会」完敗
意外な父親の言葉
プロの道に進むべきか悩んでいた時、「東大!」「東大!」と東大がすべてのように言っていた父親から「東大の大学院なんてやめてしまえ。お前はプロゲーマーになればいい」という後押しの言葉をもらって決心し、今のときどさんがいます。
当時は周囲はほぼ100%に近く反対の言葉を口にする時代でした。
まだまだゲームは遊びという認識しかなかった頃です。
そんな時に
父「好きにやったらいいよ」
梅原大吾「チャレンジしてみるのもいいんじゃないか。人生は1回しかないんだから」
こんな強い言葉をもらい、自分自身で歩き出す決意が出来たのでしょう。
両親の存在がプロゲーマーときどの原点
プロのゲーマーなんてまだ誰も理解してくれないような時代で、誰に相談しても賛成はしてくれないだろうと悩んでいたときどさんを後押ししてくれたのが、東京医科歯科大学名誉教授の父・谷口尚さんでした。
当時、大学の副学長であり学生課の担当でもあった父・谷口尚さんは多くの学生たちの相談に乗りその親との衝突も耳にしていました。
実は谷口尚さんは音楽家になる夢を持っていたのですが、「才能がないし、歯科医の方が収入のある仕事だった」として現在の道を選択していたそうです。
シンセサイザーは高価なものだったので、歯科医として稼いだお金でシンセサイザーを購入し交響曲を作曲するという目標を掲げた父はしっかりとその目標を実現しています。
そんな父親をサポートしていた歯科医師である母親もまた反対することなくときどさんの応援してくれたのでしょう。
ボクはときどのマネージャー候補
「世界チャンピオンになるのはもの凄く大変でしょう」
「私にすれば、歯科医になるのはとても簡単なことですよ」
父・谷口尚さんはこんな言葉をさらりと言えてしまうのです。
谷口尚さんがちょうど引退を考えるタイミングで息子ときどさんと一緒にインタビューを受けていたことがありました。
その時は、
「できれば、息子のマネージャーになりたいと思っています」
「そして一緒に世界をまわりたいですね」
と言い、ときどさんの情熱にのめり込むことを考えていたとカミングアウトしときどさんを驚かせていました。
そもそもプロゲーマーとは?
コンピューターゲームの大会に参加し賞金や報酬を得て職業としてゲームをする人のことをプロゲーマー(professional gamer)と呼びます。
eスポーツという用語が誕生してからは、eスポーツプレイヤー(eSports player)、eスポーツアスリート(eSports athlete)と呼ばれアスリートとしての認識も強くなっているようです。
2022年に開催される第19回アジア競技大会には、陸上競技・水泳・サッカーなどの競技に並んで公開競技としてブレイクダンスとともにeスポーツもエントリーされることになっています。
ゆくゆくはオリンピックの競技になることも夢ではないでしょう。
ときどのゲームに対する思い
ゲームが単なる遊びではなく若手起業家のような気持ちで向き合っているときどさんは、「昨日の自分より強くなることが大切」と常に思っています。
そして世間に対して
「ゲームは真剣に取り組む価値のあるもの」
「ゲームは人を成長させるものだ」
ということを自ら指し示し伝えていきたい、という強い気持ちを持って臨んでいます。
ゲーセンのマイナスイメージ払拭!
ゲームセンターと言えば、不良のたまり場というイメージが強く、単純にゲームを楽しみたくてもまるで大人のパチンコ店に入っていくような感覚を持たれがち。
そんなイメージに対してときどさんは小さなころから不満を抱き、怒りに似た感情を持っていたようです。
今まで、真剣に取り組んでいるのにまったく理解されず、ゲームをすることへのうしろめたさ、やりきれない思いを抱きながら辞めしまった人もたくさんいたことでしょう。
今でこそeスポーツとしての認知度があがり、ゲーマーとして主張しやすくなってきているとはいえ、まだまだ日本では認められていな面が多々あるようです。
ときどさんが真剣にゲームに取り組むことでアスリートとしてのゲーマーがいること、そして真剣にプロを目指して勉強している人がいることをもっと世の中に広めたい、知ってもらいたいと思っています。
プロゲーマーは見た目も大事
ジムに通いだしたのは、「ゲーマーとして注目を浴びた時少しでも好印象を持ってもらえるように準備をしておくべき」という梅原大吾さんのアドバイスをうけ、その視点の広さに感銘したからだと言っています。
確かに最強と言われていたキャラクター『豪鬼』を操るときどさんがひらひらの軟弱な男性だったらちょっと引かれてしまいそうですよね。
まさに優勝した時のこのポーズに説得力があります。
内面にも大きなプラス
見た目だけではなく、体力も持続力も備わることで遠征先でのパフォーマンスにも余裕が生まれる上、プレイ中の極限状態での精神的な面への対応にも自信がつくのでしょう。
勝つために練習に励んでいてもどうしても勝てない相手がいる、というゲームと同じ勝負事の世界に興味を持ち空手に通い始めたところ、「すごく胆力がついたと感じる。ゲームの世界でも空手が活きているのは間違いない」と師匠から太鼓判を押されたそうです。
メンタル面で役に立っているは間違いなさそうです。
海外でのときどの認知度
最強と言われていたキャラクター『豪鬼』を操るときどさん。
わずか17歳で世界の大会に出場し優勝。
その後も世界最大タイトルを獲得しているときどさんを知らないゲーマーはいないのではないでしょうか。
世界最大大会EVO2017
世界最強と言われた『Punk』を相手に悲願の優勝を果たしたときどさんの試合です。
EVO.2017最終日 GF 【(L)ときど】 VS 【Punk(W)】
ありがたいことに@Newsweek_JAPANさんの世界が尊敬する日本人100に選んでいただきました😉🤓😸
これからも精進いたします! https://t.co/ar2JCXmDwp— Tokido / ときど (@tokidoki77) August 3, 2021
年収はどれくらい?
【taitochannel】でキャラクターのプレイ解説をするときどさん。
一般的にプロのゲーマーの平均年収は400万円という数字が出ています。
この数字にメディアへの出演料や上記のような動画への出演料そして執筆料、YouTubeの広告収入などがプラスされていくようです。
推定される年収は、
1位:KuroKy(ドイツ)約3億5,000万円
2位:Ninja(アメリカ)約6憶6,000万円
3位:ときど(日本)約4,000万円
4位:梅原大吾(日本)約2,000万円
という金額が2020年に出されています。
海外でも数々の大会に参戦して優勝を重ねているときどさんですが、その賞金は大会の規模にもより大きく変わってくるので、正確な収入の数字はどの選手も公表はしていないようです。
海外への遠征費もかかりますからね。
ちなみにときどさんは、
2018年の『CAPCOM Pro Tourジャパンプレミア2018』では500万円、2020年3月の「TOPANGA CHAMPIONSHIP」では200万円と大会スポンサーである大塚食品からBRAIN SPORTS DRINK1年分を授与されています。
現在のときどさんは2019年に『Echo Fox』との契約を満了して以降の契約チームはスポンサー以外確認することが出来ませんでした。
ときどは結婚している?
以前、父親から次のステップを踏むべきだとして、「奥さんがいればもっともっと強くなるぞ、と言いたいですね」と言われていたときどさんですが、お相手に巡り合う前にゲームに熱中してしまっているのでしょうか。
なかなかおつきあいしている女性の影はみえてこないようです。
ときどの広告活動
試合、筋トレ以外にもときどさんにはゲームの認知度をあげるための広告活動という作業が待っています。
注目される学歴
ときどさんを語るのに外せないのが東大卒業という肩書。
山下智久とのゲームマッチ
遊びでつくられたゲームだからこそ真剣に取り組むということを常日頃から心がけている、と語っています。
まとめ
「ゲームは人生をかけた真剣勝負なんだ」という想いを伝えたいと日々ゲームに取り組んでいるときどさん。
ただゲームをするだけではなく、筋トレに励み肉体と内面の強さを磨きここ一番という勝負に勝つための努力を欠かさない。
「生涯現役でいたい」
ときどさんならかなえられそうな気がします。
そんなときどさんをそっと支えてくれる女性が必要ですね。